さっきのスイートルームに、服などの荷物を置いたままにしてあったので、取りに戻った。
「着替えるので、待っててくださいね。」
そう言って、隣室へ入ろうとすると、晴生くんに手を取られた。
「せっかくこんなに綺麗なのに、
着替えちゃうの?」
見つめられて、ドキドキする。
「じゃあ、このままフロントで部屋を取って、
自室で着替えますね。」
私はハンガーに掛けておいた服を取って、たたもうとした。
「里奈さん…」
晴生くんがその手を取る。
私はどうしていいか分からず、顔を背けようとするが、晴生くんの手が顎にかかり、そうさせてはくれない。
「里奈…」
呼び捨てにされて、心臓が跳ね上がる。



