ふぅ… 私は、小さく息を吐いた。 私の8年間が終わった。 課長は、そのまま立ち上がり、無言で帰っていった。 ドアが閉まった途端、私は、胸を締め付けられるような激しい痛みに襲われた。 「課長………」 涙がとめどなく溢れてくる。 晴生くんに抱き寄せられ、私は、晴生くんの胸で、激しくしゃくり上げながら、泣いた。 こんなに泣いたのは、8年間で初めてだった。 晴生くんは、黙って、私に泣きたいだけ泣かせてくれた。