ようやく解放されたので、私は

「ひどい!」

と一言、晴生くんに投げつけた。

晴生くんは、

「里奈さんがかわいすぎて、我慢
できなかった。」

と悪びれもせずに答える。

「部屋まで送ります。」

そういう晴生くんに、私は冷たい一瞥をくれて言った。

「狼から身を守るために、ライオンを連れて
歩くなんて、バカだと思わない?」

「………ごめんなさい。
里奈さんの信頼を裏切ってしまいました。
今日1日、嬉しくて、調子に乗りました。
もう一度だけ、信じてもらえませんか?
俺は里奈さんが好きなんです。」

ずるいなぁ…
そんなに素直に謝られたら、怒り続けられないじゃない…

「これが最後のチャンスだよ?」

私が言うと、晴生くんは満面の笑みで答える。

「うん!
ありがとう!
ほんとにごめんなさい。」


………くすっ

かわいい。