「ごめんなさい。
私、お弁当だから。」

そう断ると、

「へぇ、里奈さん、お弁当作れるんですね。
いいなぁ。今度、俺のも作ってくださいよ。」

と懐いてくる。

「人に食べさせられるようないいものでは
ないので。」

と断ると、

「里奈さんの手料理なら、何でもいいのに。」

と引かない。

私が困って、無言でいると、

「お弁当はいつもどこで食べてるんですか?」

と聞いてきた。

「空いている会議室で。」

「へぇ。じゃ、俺も下のコンビニでお弁当
買ってきますから、待っててくださいね。」

と言うと、私の返事を待たずにいなくなってしまった。