「俺、里奈先生がいなくなる前の日、告白
したんだよ。
一瞬で振られたけど。」

そう言って、 高岡くんはケラケラと笑う。

「まさか里奈先生がうちの会社にいるとは
思わなかった。
これって、運命かな?
運命だよね?」

高岡くんが私の顔を覗き込む。

「いえ。
それより、高岡くん。
ここは会社ですから、仕事してください。」

いた!
私に告白した中学生!!

「晴生。」

「は?」

「高岡くんじゃなくて、晴生くん。
ここ、高岡くんがいっぱいでしょ?
社長も専務も他にもたくさん。
だから、紛らわしいから、『晴生くん』って
呼んでくださいね。」

もしもし?
少なくとも、うちの部署にはあなた1人ですけど?

「はぁ。」

この御曹司くん、何を考えてるんでしょう?