10月1日 火曜日。

晴生は、営業企画部情報課から、営業企画部企画課へ異動になった。

これは、もともと予定されていた異動だった。
晴生は両方の課を半年ずつ経験する事になっていたのだ。

私は、少し寂しくはあったが、これで平穏な日々がやってくるという安堵感もあった。

晴生は仕事が立て込んでいても、平気で甘い言葉を囁いてくるものだから、集中出来なくて困る事も多かったのだ。

私は、今までより、少し遠くから晴生を眺める。


カッコいい…

女子社員たちが、私を目の敵にしていた理由がよく分かる。

背が高くて、他の男の人より、頭が飛び出ている。

瞳が大きく、やや童顔の彼は、某男性アイドル専門の事務所にいてもおかしくはない。