「里奈!」

突然、晴生が私を抱きしめようとする。

私は慌てて手を突っ張ってそれを阻止する。

「晴生、何、やってんのよ。」

「だって、里奈がめっちゃかわいい事、
言うから…」

「はぁ!?
そんなの理由にならないでしょ?
ここ、会社だよ?
みんな仕事してるんだよ?
人前でイチャイチャは、立派なセクハラ
なんだからね?」

晴生がシュンとうなだれる。

「はははっ」

木村係長が楽しそうに声を上げて笑った。

「高岡家は、姉さん女房の恐妻家になりそう
だな。」

!!!

「係長!
へんな事、言わないでください。
そんな噂が広まったら、困るじゃないですか!」