6月6日 木曜日 13時。

営業企画部長である黒井部長が、にこにこしながら、やってきた。

彼が情報課へ足を運ぶ事は、とても珍しい。

「高岡くん、野原さん、さっき社長から
聞いたよ。
おめでとう。」

そう言って、晴生に握手を求める。

「ありがとうございます。」

晴生は、黒井部長の手を握り、お礼を言った。

「え?
部長、何がめでたいんですか?」

木村係長が不思議そうに聞いた。

「この2人、結婚するんだそうだ。」

部長の大きな声に、周りの注目が一気に集まる。

「そうなんですか?
え?
いつの間に?
まぁ、でも、2人ともおめでとう!」

木村係長も満面の笑みで祝福してくれる。

しかし、その後ろで、渋い顔をしているのは、佐々木課長。