18時。

「お先に失礼します。」

私は、定時に会社を後にした。

ブルーな気持ちのまま、1日を過ごし、今もまだ浮上出来ずにいる。

もし、縁談が本当だったら、邪魔なのは私だ。

でも、今、晴生と離れる事は出来るだろうか?

私は、どうすればいいの?

駅まで歩く足取りも重い。


すると、後ろから、肩を叩かれた。

「里奈」

聞き覚えのある声。
振り向くのも嫌だったが、無視もできない。

「何ですか? 課長」

佐々木課長がニヤニヤしながら立っている。

「今日はショックを受けたんじゃないかと
思ってね。
俺でよければ、話を聞くよ。
飲みにでも、行かないか?」