6月3日 月曜日。

月初めの定例会議から、佐々木課長がニヤニヤしながら戻ってきた。

なんだろう?
気持ち悪い…

あんなに恋い焦がれていたのが嘘のように、嫌悪感を感じる。

課長は、資料を自席に置くと、私たちの席までやってきた。

「高岡くん、おめでとう。」

何?

「何の事です?」

晴生にも意味が分からないらしい。

「三星商事のご令嬢との縁談がまとまりつつ
あるそうじゃないか?
会社の為にもなるし、会議の席でもみんな
喜んでいたよ。」

縁談?
嘘…だよね?

私は晴生を見上げる。

「縁談はいくつか来ているようですが、全て
お断りしているはずです。
いい加減な事を言わないでいただけますか?」