宇野係長は、いつもの人好きのする優しい笑顔を見せる。
「そうなんですか?
いつでも声を掛けてくださればいいのに。」
私が答えると、
「だって、用もないのに話しかけたら、
引くでしょ?」
と笑う。
「引きませんよ〜。そんな事で。」
「いつも里奈さんと仲良さそうにしてる
高岡くんが羨ましかったんだよね。」
マズイ…
付き合ってるのが、バレてる?
「晴生くんは、昔の知り合いなんです。」
「昔の?」
「私が学生の頃に教育実習に行った学校の
生徒さんで、その時、野原先生っていう先生が
いらっしゃったから、私は里奈先生って
呼ばれてたんです。」
「だから、高岡くんは、『里奈さん』って
名前で呼ぶんですね。」
宇野係長はグラスのビールを飲み干すと、自ら手酌でビールを注いだ。



