「悪い…クレヨンでお絵描きしてたんだよ。」 と、梅田さんの低くて… 柔らかい声。 囁くような言い方。 目線を下にして テーブルを見ると、 2組のクレヨンセット。 「いいな………」 私は、俯いていた顔をあげる。 緊張は最高潮になっていた――― そして、視線をゆっくり 梅田さんに向けた。 彼の笑っている顔。 前髪を掻き上げている仕草。 目を奪われてしまう。 だけど、 それより気になるのは―――…