部屋の中に入るのを躊躇う私に、
梅田さんは
「めっちゃ……呼ばれてるけど」
と、部屋の中を指差す。
「はい…お邪魔します………」
私は軽く頭を下げ
仕方なく、緊張した面持ちで
部屋に入る。
ドキドキドキ………
時計の秒針より早い胸のドキドキ。
だって………
一人暮らしの男の人の部屋に
入った事ない。
廊下を梅田さんの後について歩く。
男らしい広い背中。
サラサラとした真っ黒の髪の毛。
ドキドキドキ………
止まらない胸の高鳴り。
ど…どうしよう………
カチャ………
梅田さんがリビングのドアを開ける。
「「鈴〜〜〜」」
たろちゃんと多実ちゃんが勢いよくこっちに向かってくるのだけど━━━━
そ…その手は


