Home * Love 〜始まりは、キス〜






「ここはもういいから……

明日からさ、たろと多実、幼稚園終わった後…少しだけ俺が預かるから。

鈴ちゃんは…なるべく学業に専念しろよ。」



━━━この時からかな。


梅田さんが私にとって

少しずつ特別な存在になっていったのは。


「え?ダメですっそんなの……」



首を横に振る私に
梅田さんは眉をひそめ、険しい表情で言う。

「強制。…ったく…全部1人で出来るわけねぇだろ。

でもこれは、秘密な。他の親御さんにバレたら厄介な事になるし。」

そろから、梅田さんは
優しい笑みを浮かべた。


ドキン―――

また、胸が高鳴った。



「…いいんですか?」


「ああ………」


「ありがとうございます…。でも…火曜日と金曜日はお迎えに行けますから。」

「分かった。」

そう言って、梅田さんは
立ち上がる。


「お勉強会、終わったみたいだ…ほら、迎えに行ってあげろよ、1番に。」



トン―――――

梅田さんに押された背中。

そこから、
何かのパワーが来て。

1瞬で、満タンになった私の心。


何だろう、この不思議なパワーは…。


これから
私、頑張れそうな気がするよ。

このパワーがなくなるまで。


「たろちゃん〜〜〜、多実ちゃん〜〜〜」



「「鈴〜〜〜」」


2人を思いっきり、
ぎゅぅぅぅって…
抱き締めた。