声の方に視線を向けると、50代くらい(本当はもっと若いかもしれないな)
のスラッとした女性が
こちらへ来る。
「お…おはようございます。」
「私、苺幼稚園の園長の西宮と申します。
お母さんから事情は聞いているわ。大変ね………
こちら側からもしっかりサポートするから、頑張ってね?」
そう言って、私の手を両手で握る。
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「さて……太郎君と多実ちゃんのクラスは…ほし組でしたよね?貴也先生?」
園長先生は、目尻を下げ優しい笑顔で梅田先生に訊ねる。
「はい………広美先生のクラスです。」
「イヤっ!」
突然の多実ちゃんの大きな声で
その場が静まり返る。
「多実、貴也センセのクラスじゃなきゃ…絶っ対に嫌よ!」
た、多実ちゃん………!?


