「俺…だいぶ前から由夏にフラレてたんだよ。
………春ぐらいかな?
鈴、
俺が由夏から貰った
メモリーカード踏みつけただろ?
さのメモリーカードにさ、
別れてほしいって録音してあったんだ。
―――その時は
もう先が見えないくらい…
ドン底だったんだ。」
梅田さんは、ソファーに座り、足を組み…
遠い目をしながら、ゆっくりと思い出すように話した。
愛しいその声と、表情に涙が出そうになった私。
「………フラレてた?
でも…ちゃんと付き合ってましたよね?」
梅田さんの言葉の意味が分からなくて。
「まぁ、そのメモリーカード壊れた事をいいように
俺は由夏のメッセージを聞かなかった事にして、
そのまま関係を続けてたんだけど。
それから、鈴ちゃんに出会って
真っ暗だった心はどんどん光が差してきたんだ…
俺は鈴に救われたんだよ…
それで昨日な?
ちゃんと由夏と話し合って
別れた………
今は、あの時みたいに真っ暗な気持ちにはならない。
むしろスッキリしてるんだ。
きっと、そのくらい俺は鈴ちゃんが好きなんだな。」
梅田さんの話を聞いているうちに
込み上げてくるモノを抑えるのに精一杯だった。
今、言葉を発したら―――きっと涙は溢れ続ける。
「だけどな、鈴ちゃん…」


