暫くして、賑やかな声と共に
ガチャ…………
リビングのドアが開いた。
「鈴、貴也センセ来たよ〜?」
たろちゃんはそう言って
私の腕を掴む。
私と由夏さんの視線は・・・
リビングの入り口に突っ立っている、
梅田さんに向いた。
その表情は、目を見開き
驚いている様子で。
視線は由夏さんに向いている。
「…由夏………来てたのか…」
「………ええ。」
由夏さんの返事を聞くと、視線は私に移された。
「鈴ちゃん…話しがある…」
「梅田さん……………」
梅田さんを見た私の心は
ぎゅぅぅぅっと締め付けられて。
―――今は苦しいけど。
やっぱり、
私にとって梅田さんは大切な存在なんだって
痛いほど実感するよ。
「たろう君、多実ちゃん…
お姉さんとお散歩しようか。」
由夏さんはしゃがみ込み、
優しい声で2人に言った。
―――たろちゃんと、多実ちゃんは
戸惑いながらも、由夏さんと一緒に外に出ていった。


