その消えそうな、細い声に… 私は、呼吸をするのを忘れ。 ―――梅田さん。 それは、私に行くなって… 言ってるの? 嬉しいけど、何だか複雑だよ。 だって、梅田さんには 彼女がいるんでしょう? いつも、いつも…梅田さんの その優しさが苦しいんだ━━━ 「どうしてそれを…」 「昼に、ここに来た時さ… パリ行の航空券見たから。」 「見られちゃったんだ… 梅田さんには内緒にしてたのにな…」 流れる沈黙。 梅田さんは、背を向けたままで。 「…くな………」 「え?」