急いで車に乗り込んで エンジンかけた。 アクセルを思い切り踏み、とにかく必死で。 いつも目に入ってくる 緑が多い景色も 全然入ってこなくて 今は、ただ、家までの道のりを 真っ直ぐ見据えるだけ。 次第にハンドルを持つ手が汗ばんできて。 額からも嫌な汗。 俺は、 冷房の風量を調節するつまみを 目一杯右に回し、最大にした。 “鈴・・・今行くからな・・・” 冷房の冷たい風に当たりながら、 そんな事を思った。 と同時に俺の中にあるもう1つの感情に。 今さらながら 気づいてしまった。