***** 「貴也さん………?」 家のドアに寄りかかりながら、 彼女を待っていた。 どれくらいの時間が経った時だろう、 その声を聞いたのは。 「由夏……………」 相変わらず、大人びた 自分の心をくすぐる仕草。 右手で、長い髪を耳にかけ、そこから見えた キラッと輝くダイアのピアス。 と、透明感がある肌をした首筋。 『どうして………… …とりあえず中に入って?』