自分の部屋に帰り、乱暴にキーケースをベッドの上に
投げつけてから、
ベッドに腰を下ろした。
真っ暗な部屋で、考える━━━
来月からイギリスに3年間、ね…
そうやって、由夏はいつも
俺の先へと行ってしまう。
どんどん自分の道を進んでしまう。
元々、
由夏は大手会社の社長の一人娘。
俺は、何の取り柄もない、ただの男。
これが、『格差』ってやつなのかな。
こんなにも好きなのに。
何故離れなきゃいけないんだ。
こんな事を思う自分が情けない。
何でこんなに焦ってるんだ?
俺━━━…
たった。3年。
3年だけなのに━━━


