恐る恐る、
ゆっくり窓ガラスを開け
ベランダへと出る私。

夏の太陽の光が暑く、眩しい。





すると、左の方から
何か人の気配がして。



「………梅田さん?いるの?」

顔を少し出して、隣を覗き込む。


「………あ…」

見てはいけないものを
見てしまったようで
声が出てしまった。




下にはビールの缶が一本落ち

眉を潜め
何か思い詰めたような、
深刻な顔をしている梅田さんが

太陽の暑い光を浴びながら
目を細め遠くを見ていた。


「何?」

低いトーンの梅田さんの声。



「どう…したんですか?」