その言葉に私はもう一度頷いた。 今日だけ。 これが梅田さんとの 最後のキス。 梅田さんが私に半歩近づく。 私も反射的に半歩下がった。 腕に伝わる、鉄の柵のひんやりとした感覚。 もう、後戻りは出来ない━━━… そして、 梅田さんは右手で 私を引き寄せた。 近づく2人の距離。 なんか、現実じゃない感じで。 「目、瞑れって……」 顔にかかる梅田さんの吐息。 私は、ゆっくり目を閉じた――― カタン………