「多実ちゃん、ごめんね…話聞いてあげられなくて。」


只今、私は多実ちゃんのバスタイム中です。

多実ちゃんは、
泡風呂の泡で遊びながら
言う。

「ううん。多実もごめんなさい。
それにしても…女ゴコロって複雑ね…」



ど…どうした…多実ちゃん!?

私は、思わず体を洗うスポンジを落としてしまった。


「な…何かあったの?」


「なんかね、今日の朝ね?
たろとまりなちゃんが日直だったんだぁ。」


「うん。それで?」


「2人が前に出た時に、
クラスのみんなが『好き同士〜』
って言ったの。

その時に、とっても胸が痛くなったんだ〜
なんでだろ?」



「そのキモチはね、多実ちゃん―――」