家に着き、


駐輪場に自転車を止め、
アパートの階段を上っていると。




バタンッ…タンタンタンタン…

上からドアが閉まる音に小走りする足音が聞こえた。

誰だろう―――?
私は上を見上げた。


すると、
外灯の明かりに照らされた男の人が見えた。


“梅田さんだ………”




私の心臓の鼓動が早くなっていき―――

ぎゅっと両手で胸を押さえる。


だんだんと大きくなっていく足音とちょっとした振動。

階段の丁度中間付近にいた私。この場から逃げることも出来なくて。


どうしようもないから、
その場で止まってみる。



その時━━━…


ダン…ダン…ダン…ダン
梅田さんが階段を降りてきて。

その表情はとても険しかった。


“何か、朝に会った時とは…様子が違うな”

なんて思いながら、軽く俯く。


むこうは私の事なんて、気にせず、階段を降りてきたんだ。


あと、階段3段で梅田さんとすれ違う。


2段……

1段━━━━…



ドンッ…

「………あ…」

梅田さんとぶつかってしまって。



カシャン…

何かが下に落下し。




パキッ。