多…実…ちゃん?
多実ちゃんの言葉に驚いた私と梅田さんは
思わず、見合わせる。
「まりなちゃん、多実を助けてくれて…ありがとう。」
目に涙を溜めて、多実ちゃんは言った。
「お礼なんて、いらないわ。
私が勝手に飛び込んだだけ。
多実ちゃん無理しすぎなのよ。
いきなり1回転なんて…
出来るわけないよ?
あなたがバランスを崩した時はどうなるかと思ったわ?」
と、腕組みをしながら言うまりなちゃん。
「ごめん…なさいっ………ヒック…
綺麗に一回転しているまりなちゃんを…
たろちゃんがずっと見てたからね━━━…」
多実ちゃんの目から溢れる涙…
「センセ?多実ちゃんは何も悪くないよ?」
まりなちゃんは
多実ちゃんの頭を撫でながら、梅田さんを見て微笑んだ。


