出てきたのは、少し不機嫌そうな
まりなちゃんママで。
「突然、すみません…。
少し…お時間よろしいですか?
多実がまりなちゃんに話したい事があるようなんですけど。」
梅田さんは、後ろから
多実ちゃんの肩を持ちながら言う。
まりなちゃん家は、
とても立派な豪邸で。
白を貴重とした外壁に
赤茶色の屋根。
黒いオシャレな門と玄関は
大理石で出来た階段で
繋がっている。
「まりなちゃん!」
多実ちゃんの大きな声。
「まりなちゃん!」
胸の前で大きな握りこぶしをつくって
何回もまりなちゃんの名前を呼ぶ。
まりなちゃんママは困ったように
玄関に目線を向けていて。
その時。
「………多実ちゃん?」
と、
紺色のワンピースを着て
ちょっとオシャレをした
まりなちゃんがひょっこり出てきた。
階段をゆっくりと降りてくる。
「まりなちゃん…ありがとう…」


