静まり返った教室。
私の心は
悔しくて…悔しくて…
心が張り裂けそうで。
「………鈴!」
梅田さんの、少し怒ったように低い声。
今の気持ちを
全て吐き出してしまいそうだった。
でも、
それは不安定な多実ちゃん
にはしてはいけない事で。
「…みんな嫌い………」
「どうしたんたよ?
多実らしくない。
先生に話してごらん?」
梅田さんは多実ちゃんの両肩をしっかり持った。
「みんな大っ嫌いよ!
鈴も…たろちゃんも…
パパもマ…マも!
うわぁぁぁぁん…」
多実ちゃんは、
その場に泣き崩れて座り込む。
多実ちゃんを抱っこしようと、
梅田さんの手が
多実ちゃんの肩から緩んだ隙。
「…………っ!」
「多実!」
「多実ちゃん!」
多実ちゃんは教室を飛び出してしまったのだ。


