「はぁ、はぁ、はぁ………」





ふう、間に合ったわね……
思ったより余裕があるし、もしかして私足が早いのかしら……





……はっこんな下らないことを考えている場合じゃないわ。クラスを確認しないと!





周りを見渡すととある1箇所に人だかりが出来ているのが見えたので私はそこへと急ぎ足で向かった。






うーん、人だかりで前がよく見えないわね……





ううんと唸っていると、突然人の波が押し寄せてきた。

突然のことで驚いてしまって体のバランスが崩れてしまう。





このままだと地面とファーストキスだわ……!!





その瞬間、誰かに受け止められた……






なんてことは無く、どうにか地面とキスは防げたものの身体のあちこちに普通に痛みが走った。






「いたた………」






最悪だわ……痛いし、恥ずかしいし………




周りの様子を伺ってみたがどうやらあまり皆気づいていないらしく、なんとか目立たずすみそうだ。





立ち上がろうとするも、思ったより強く打ったようで
思ったように身体が動かせない。頑張れば起き上がれそうでフラフラと身体を起こす。


その時、目の前に黒い影が見えた。



顔をあげるとそこには美しい、けれどまだ幼さが残る凛とした顔立ちの美少年がいた。





綺麗………





そう思って、じっと見つめていると






「ねえ」






彼が口を開いた。思ったより低い声だと惚けていると
彼は確かにこう言った。






「お前、邪魔なんだけど。」







「…………は?」