なんでうちの店で飯作ることになったの?
よく考えたら未成年と夜の店で
2人きり

不純異性交遊

ダメだろこれ(笑)
まぁそんときの俺はなんも考えてなかった。

俺「何食べたい?」

レン「ユウキさんは何料理が得意なんですか?」

それにしてもこいつよく喋るようになったな。
初めてあった頃は貞子だったのに。

もう、わけがわからん。

俺「材料ちょっとの肉と米と野菜」
「チャーハンくらいしかできんぜ、これじゃ(笑)」

レン「いいじゃないですか!私チャーハン好きですよ」

俺「じゃあチャーハンつくっか!」

なんでこいつこんなおめかしして、チャーハンなんだよ。
場違いすぎんだろ(笑)

なんだかんだで、レンは具材を切り、俺が炒めてチャーハンを作った。

腹減ってたこともあって2人ともかきこんでた。五分経たずに食い終わってたな。

レン「美味しかったです、ご馳走様でした」

俺「ご馳走様でした」

レンは皿を洗い始めた

レン「私が洗いますんで、座っててください」

夫婦かよ(笑)てか俺はなんでこんな意識してんだ。
やべえだろ。

そんな馬鹿なこと考えてたら
レンが鼻歌を歌い出した。

聴いたことある曲。

ディズニーかなんかの曲で
ホイットニーヒューストンとマライアキャリーがデュエットした曲。

When you believe

俺が初めて洋楽でこんなに上手くてカッコいいアーティストがいるんだと
何回も繰り返し聴いてた曲

昔、すぐCD買いに走ったよ。

それにしても、なんだこの感覚。
日本人の発音でつたないのはあるけど
声が

なんだこの独特な声

鳥肌が止まらない

俺「おい!」

レン「はい、な、なんですか?、はい、は」

俺は怒鳴ってしまった。いやパニクってた。

俺「ちょっとこっちこい!」

洗い物途中のレンの腕を引っ張って二階へ連れてった。

俺の部屋はパソコンとギターとベットと服

言い換えれば、何もない部屋。

ギターをとりだし、チューニングを合わせ
ぽかーんとしてるレンに

俺「ちょっともっかい歌ってみてくれ」
「今の曲、俺弾くから」

レン「なんですか?今の曲って?私何も歌えないですよ」

俺「さっき鼻歌歌ってただろ」

レン「歌ってないですよ!私歌なんか。うたえないですよ」

訳がわからない。
レンは何故か泣きそうになっている。
あほなのか?

俺はレンが歌っていた歌を歌ってみせた。

レン「あー、この曲おじいちゃんがよく聴いてたので知ってます」
「でも歌えませんよ」

俺「もっかい弾くから、俺と一緒に」

俺が歌い始めて、言われるがままレンは歌い始めた。
俺が歌をとめ、レンだけで歌わせる。

もう一回。

キーを少し上げてみる。
もうレンは抵抗がなくなったみたいだが
まだ意味はわかってない。

携帯のボイスレコーダーをオンにする。
そしてキーをレンが歌えるギリギリまで上げて歌わせた。

パワーはないが、少しハスキーで甘く軽やかな声。
大きくないのに部屋に響きわたった。

こんな上手い奴がいるのか。

地声と歌声が全く違う。
俺は震えた。

音楽をずっとやってきて、こんなに歌が上手い奴に出会ったことはない。
俺がバンドを組まなかったのはこれが理由。

歌い終わったとき、俺はギターを落としレンを抱きしめてた。

今考えるとレンは全く抵抗せず、俺を抱きしめ返してたな。
そして泣いてた

後から聞いたが、レンは怖かったそうだ。
襲われるんじゃないだろうか。
でも、半分諦めてたらしい

抱きしめてきたから
覚悟を決めたらしい。

俺はそんなことを知るはずもなく、抱きしめている自分にびっくりして

レンが更に泣いてるのをみて
土下座した。

俺「ごめん!ちがう、そんなつもりじゃなくて」

レン「うぇーーーーーーーーーーーーーん
ひくっひくっ、うぇーーーーーーーーー!ーーん」

俺「ごめん、本当にそんなつもりじゃなくてつい!」

この間、頭を床に擦り付けまくり。

レン「どういうつもりなんですかぁーーーーー、うぇーーーーーーん」

俺「ちがう、あまりにもレンの歌が凄すぎて、感動しすぎてつい」

レン「え?」

レン「私を抱くつもりだから部屋に入れたんじゃないんですか?」

俺「それだったら歌わせるのおかしいだろうが」

レン「あ、そっか」

2人で大爆笑。
でも俺はレンを好きになっていた。
初めて恋をしたんだ。

生まれてから35年間、こんなに愛おしい女に出会うとは思わなかった。
ありがとう

俺「レン、歌好きか?今歌っててどうだった?」

レン「わかんないです、でも。
ユウキさんが弾いてるのに合わせて歌ったときゾクゾクしました」

俺「レン、バンドやってみるか?」

レン「私歌えないですよ!」

月が大きな夜だった。
その日はスーパームーンだかなんだか
でかく、輝いてた。

もう夏だ。
もう時間はないんだ