サンクはレーナのすぐ前まで来ると、レーナの手を掴んで止めた。 「涙の理由を聞いてもいいかな」 「た、たいした理由ではありませんので」 「たいした理由もなく、そんなに泣かないでしょう」 そう言いながら、サンクはレーナの目元に口づけた。 レーナはびっくりして、涙が止まった。 「ああ、よかった。泣き止んだね」 「は、はい」 太陽の神の笑顔に、レーナはドキドキする。 「それで、どうして泣いていたのか教えてくれるかな」 「実は……」