「もうすぐ、美央の16歳の誕生日だ」 「……うん」 「16歳になったら、オレと結婚する。約束だよ」 「わかってるよ」 前に会ったときに、エルクからプロポーズを受けた。 正直なところ、まだ結婚なんてピンと来ないし、両親の理解も得られないだろう。 結婚なんて夢物語だ。 でも……。 エルクは美央に顔を寄せると、そっと口づけた。 その唇はひんやりとしていた。 唇が離れると、美央はエルクを見つめた。 「誕生日、楽しみにしてるね」 「オレもすごく楽しみだ。もうすぐで美央が手に入る」