「そーかそーか。ま、先に行って場所取りしてるわ」 「おーよろしく」 みんなと別れて一人でたこ焼き屋の屋台に向かうと、 そのそばに浴衣姿の女が傘も差さずに一人でたたずんでいることに気づいた。 クラスメイトの矢田(やだ)だった。 「……矢田? 傘も差さずに何してんの」 浩介は矢田の頭に傘を差しかけた。 「……相模?」 こちらを見た矢田の頬は濡れていた。 雨で濡れただけかもしれない。 だけど、小雨でうつむけば顔は濡れない程度の雨。 本当に雨なのか…? もしかして、泣いている?