「.......そうやろな!」
確かに
結斗ならば生徒たちの反応は予想していたはずだ
鈴菜はタタタタと軽やかな音を立てて階段を駆け上がると、前を歩いていた月沼の手首を掴む
「あんたなら伊吹といつも一緒にいるし、そのうち何考えてるか聞けるんちゃう?」
「あはは、えぇ?」
月沼は歩みを止めぬまま笑って鈴菜を振り返ると
「そうかもしれないけど、僕あんまり野暮な事聞いたりしないから」
とサラリと断った
その横を冷めた表情の有姫が堂々と通りすぎる
「野暮ねぇ.......。そう言えば聞こえはいいけど、月沼くんは親友のことでも面倒なら首を突っ込みたくない冷淡な男なのよ」
「波屋さん僕のことそんな風に思ってるの」
月沼は鋭い有姫の視線に怯みつつ「だって伊吹の行動に心配はしてないし」と珍しく弁解した
そう
だからこそ
「気になるよねぇ」
景は顎に手を当てて唸る
「咲夜も荒れてるし、日向も。爽馬は凄いどうでも良さそうだったけど、せっかくの修学旅行なんだし一緒の場所に行きたいな」
その横顔を見つめ聞いていた果子は、優しく微笑んで頷く
「同級生の仲間だもんね、妖術科も。みんなで行きたいよね」
嬉しい言葉に、景たちは顔を見合わせて頷き合った


