事の顛末を知らない景と爽馬のいる男子寮Bに、美女軍団が帰還したのはそれから30分後のことだった
「「だだいまー」」
「お帰り咲夜、日向......あれ、もう女の子じゃなくなってる」
「シンデレラですから〜」
おどけてクルリと回ってお辞儀してみせる咲夜
本当の女子である鈴菜、柊、有姫の姿はなく、景は先ほどまでの可憐さとは打って変わった男子集団を見つめた
_______なるほど
確かに文化祭の日向ちゃんにはタイムリミットがあった
そろそろ元の姿に戻るからと、人気が少ない教室に避難したのを思い出す
「......元に戻るタイミングが少しずれてたら大変なことになってたよみんな」
「ほんとほんと、忘れてたよね!あぶないあぶない」
言う割にはあっけらかんと笑う咲夜の様子に、景は「なんかあった?」と微笑みかける
「うん!」
満面の笑みで頷く咲夜
続けて市河が報告した
「あれから瀧居先輩の元カノ、トモカさんを見つけて........なんとアイオが告白されました!!」
日向と咲夜に挟まれ肩を抱かれた相生は、なんだか恥ずかしそうに目をそらす
「え、えーーー!!!すごい!おめでとうー!!」
「おめでとーーっ!」
景が目を輝かせ拍手を送ると、咲夜と市河、満宵も相生に盛大な拍手を送った
「振ったけどな」
疲れの見えるライが共有スペースのソファに腰掛けながら、ぼそりと呟く


