* * *
「ってね、鈴菜ちゃんが言ってた」
男子寮B
ダイニングテーブルにて
景が本日の夕食であるカレーを頬張りながら説明すると、市河が食べる手をとめて複雑な表情を見せる
「無理だろ.....気持ちはうれしいけど」
「でもさ、九雷さんにしては胸熱な提案だよね」
咲夜がにっこり笑うと、たまたま隣に座っていたライが右手でその胸ぐらを掴んだ
「お前が!!潮見に署名なんてしなければ俺らはこんな焦ってねーんだよ」
「はわわわわ」
実際あれは驚いたなぁ、と景は茶をすすりながら今日の光景を思い出す
咲夜はライの右手から解放されると、両手をテーブルについて上半身を乗り出した
「そうだよ、あの潮見ってやつ!!変な薬品で脅してきて、署名するしかなかったんだけど!」
「えっ(笑)」
これには冷静にカレーを食べていた結斗も驚きの声を漏らす
「笑うな、根本的に一番悪いくせに!」
「ごめん咲夜」
しかし薬品で脅されていたとは知らず、咲夜ばかり(裏で)叩いて申し訳ないことをした
「ごめん咲夜」
「景は謝んなくていいよ」
「いや、色々ね」
市河はそんな会話を聞いて、思い出したように
「潮見ってあいつかぁ」
と呟いた


