生徒だけど寮母やります!3









*   *   *




「ってね、鈴菜ちゃんが言ってた」



男子寮B

ダイニングテーブルにて


景が本日の夕食であるカレーを頬張りながら説明すると、市河が食べる手をとめて複雑な表情を見せる


「無理だろ.....気持ちはうれしいけど」


「でもさ、九雷さんにしては胸熱な提案だよね」



咲夜がにっこり笑うと、たまたま隣に座っていたライが右手でその胸ぐらを掴んだ



「お前が!!潮見に署名なんてしなければ俺らはこんな焦ってねーんだよ」


「はわわわわ」



実際あれは驚いたなぁ、と景は茶をすすりながら今日の光景を思い出す




咲夜はライの右手から解放されると、両手をテーブルについて上半身を乗り出した


「そうだよ、あの潮見ってやつ!!変な薬品で脅してきて、署名するしかなかったんだけど!」


「えっ(笑)」


これには冷静にカレーを食べていた結斗も驚きの声を漏らす




「笑うな、根本的に一番悪いくせに!」


「ごめん咲夜」



しかし薬品で脅されていたとは知らず、咲夜ばかり(裏で)叩いて申し訳ないことをした


「ごめん咲夜」


「景は謝んなくていいよ」


「いや、色々ね」



市河はそんな会話を聞いて、思い出したように

「潮見ってあいつかぁ」

と呟いた