「産まれてきてくれてありがとう。夏美、産んでくれてありがとう」

その言葉に、また涙が溢れた。

「どういたしまして。今日からもよろしくね、パパ!」

「あぁ、よろしく。夏美もママだな」


あと処置も終え、休息してから病室に戻る。
そこにはいつの間にかさっちゃん、いっちゃん、れんちゃん、お父さんにお兄ちゃんが揃っていた。

「夏美!お疲れ様!見てみて!うちの子たちは天使だよ!」

そう言って早速新生児室でご対面してきたのか、父はものすごいデレデレ顔でデジカメで撮ってきた二人を見せてくる。

二人の目を開けた顔。
そこには私と同じ瞳の色があった。
ブルーとグリーンのオッドアイ。

「同じ…」

「あぁ、夏美と同じ綺麗なブルーとグリーンだ」

そう明さんが言う。

「ふふ、どんな子でも我が子は可愛いでしょ?」

そうさっちゃんが微笑んで言うから

「もちろん!」


そう私は明さんと見つめあって微笑んで返した。


「そう言えば、名前は決まったのかい?」

そう聞く兄に、私は答えた。


「男の子が蒼(あおい)で女の子が翠(みどり)だよ」

「良い名前だね」

そう微笑んだ兄は、スマホを取り出すと

「祖父母に写真付きで知らせてくるよ」

そう言って病室を後にした。