「お前…俺とくる?」

冗談のように俺は人差し指を赤ん坊の目の前に差し出した。

「なーんてな」

その時赤ん坊は俺の人差し指を掴み俺に向けて笑顔を見せた。

その瞬間は今でも覚えてる。
俺は閃光に打たれたかのように、掴まれたその手から溢れるほどの愛おしさがこみ上げた。

ここからはよく覚えていない。気づいたら俺は自分の部屋に息を切らして、赤ん坊を抱き抱えながらソファにもたれかかっていた。