大きくなった宇宙は「パパ」から「お父さん」…それから今では「父さん」と呼ぶようになった。
一人称も『俺』に代わり随分と中学では女の子にモテたらしい。
もう15年も育てたとなると俺はもうバレるという心配はなくなった。
そうだな…強いて言うなら…あいつが…
「……さん…父さんってば」
「あ、あぁ…宇宙。」
最近では毎朝宇宙が朝ごはんを作り俺の分の弁当まで用意するようになった。
「いつも父さん考え事多いよね、無駄に考えるとボケるよ〜」
お金がたまりたまったある日に俺達は実家を出た。
両親はかなりショックを受けたようだったが、この日をあらかじめ分かっていたような様子だった。
「宇宙、今日は三者面談だよな?」
「え、うん。そうだよ」
「おまえ、何か悪さしてないだろうな?先生にしっかり聞くからな」
「し、してないよ!!!」
そんなの分かってるさ。
宇宙は誰よりも賢く誰よりも優しい男だ
問題なんかするはずもない。