宇宙の身長がぐんとのび、さらに立派になった2年後の6歳の春。
宇宙念願の黒いランドセルを俺はクリスマスにプレゼントした。
小一にしては大きい宇宙は一応ランドセルを背負っていた。
ほかの小一はほぼ、ランドセルに背負わせてるような小さい子ばかりだった。
それはもしかしたら本当は宇宙が7歳だからなのかもしれない。
「お父さん!!早く早く!!」
一週間前まではまだ『パパ』だったのに、小学生になったら『お父さん』に変えるんだと張り切っていた。
「おう、走っても式は時間通りだぞ」
「わかってるよ〜」
そう言ってなお学校に向かって走っていく宇宙。
「宇宙!!おはよう!いよいよオレ達小学生だな」
周りの中でずば抜けて明るい声を響かせたのはもちろん原田祐介だ。