「宇宙くんおかえりなさい早かったね?寒かったでしょ?」
そういい母親は宇宙の手を取り暖めた。
俺の名前よりも宇宙の名前を優先した。もう母親にとって宇宙は俺よりも大きい存在なのだ。
「僕はもう少し遊べたよ」
「なーに?春樹が帰ろうって言ったの?」
「あぁ…まぁ」
「全く…春樹は不健康なんだから…」
まるで反抗期の息子のように俺は聞き耳を立てずに宇宙を抱えて俺の部屋に戻った。
俺はその夜考えた。
その後の生活のこと……。
そんな心配はもうしなくていいと思うかもしれないが
俺にとってはまだまだ心配だらけだ
9年監禁していた事件を知っているだろうか?俺はきっとこれを超すまで安心はできないだろう。