案外素っ気なく返事を返した俺を珍しく思ったのか、驚いた顔をしていた。
聞いてもいないのに話を続けてきた。

暗い過去は隠しておくものではないのか。
…それは俺だけなのか。

「お腹にこの子が宿った時に彼は急に私に対して態度を変えたんです。」

あぁ、なるほどな。それだけで俺はよくわかった。

予想通り、彼女は結婚する前に祐介をお腹に宿し、結婚をせがんだ。

結婚するつもりがない彼は祐介をおろすように促す。

彼女は否定をするが彼から暴力を振るわれるようになって結婚を諦めた……という内容だった。