宇宙はその後少ないが積もっている雪をかき集めて雪玉を作る。

「みてパパ!すごいでしょ?」

土が混ざったその雪玉は綺麗とはとても言い難いが、俺には水晶玉のように美しく見えた。

「オレならもっと綺麗に作れるぜ」

幼い声が後から聞こえた。

宇宙の目線の先には宇宙と同じくらいの男の子が袋を持って立っていた。
その隣にはこら、と注意している綺麗な女性がいた。

「はじめましてー、引越してこられたんですか?」

「えぇ、まぁ実家に帰って来ることになりまして」

彼女の黒いダウンコートには雪が綺麗にかかっていた。

「オレ祐介って言うんだ!お前は?」

初めての同じ年くらいの男の子に話しかけられ戸惑う宇宙。

"祐介"の母親はしきりに祐介の言葉遣いに注意する。