「春樹のジャンバーも置いておくね」
「おう…」
宇宙は初めてのスキーウェアに戸惑いがあるように見えたが、外への好奇心が強いようで、俺が着替えるのを足踏みをしながら待った。
雪はそんなに積もってないのにスキーウェアを着る必要あるのだろうか…。
「じゃあ、行くか。」
俺がマフラーを巻き終えると宇宙はもう靴を履いていた。
飛行機帽子のようなものを身につけている宇宙がとても可愛い。
可愛い…。
宇宙に手を引かれドアを開けると隙間から冷たい風が顔にあたり体が急に冷たくなる。
冷たいというよりも痛いと言った方が正しいだろうか?
宇宙はそんなのお構い無しに外に飛び出し犬のように駆け回る。