宇宙の先

俺ははしゃいでいる宇宙を横目で見ながら珈琲を啜った。

「仕事にでも行こうかな」

「「パパ!!!」」

母親と宇宙が声を合わせて俺が仕事に行くのを引き止める。

何故母親まで俺をパパと…

「わかったよ…」

4年が経った今、誘拐したことがバレるという恐怖は薄くなりつつあるが、もちろん心配でもある。

俺は珈琲を飲み終えると顔を洗いに洗面台へいった。

顔を洗い終わり、リビングに戻っていくと宇宙は見覚えのあるスキーウェアをきていた。

「それ…。」

「懐かしいでしょ、春樹の取っておいたのよ」

何十年もの間使われずに取っておいたのか…
春樹に子供が出来た時に…と言っていた記憶がふと蘇る

スキーウェアを着ている宇宙は俺よりも格好が似合っていた。