「春樹おはよう。宇宙君よりも寝坊してるんだから全く…」
「今回が初めてだよ…」
久しぶりの実家でいつもより30分遅く起きてしまった。
宇宙はいつもより30分早く起きたみたいだ。
「早く食べないと仕事に遅れるわよ」
「今日仕事休みなんだよ」
「今日平日だよ!?」
腹を掻きながら大欠伸している俺に母親は呆れていた。
「ディーラーは平日に休みがあるもんなんだよ」
「ふぅーんじゃあ今日宇宙君と外で遊べば?」
"外"その言葉で宇宙は俺の手を掴み食卓テーブルの椅子に座らせた。
「早く食べてパパ!外に行こう!外に!」
「やだぁよ…」
「僕準備してくる」と宇宙はダンボールを開けて暖かそうな服を選び鏡の前でファッションショー。まるで女の子みたいだ。
「言ってやりなさい春樹。」
母親は塩鮭を俺の目の前に置き、服を選んでいる宇宙を見て微笑んだ。
「あんなにはしゃいでるのよ。あなたと遊びたいのよ。」