俺はこの瞬間で完全に父親になった。
周りは誰も気にしないだろう。

「美味しい」と微笑む宇宙の頭を撫でながら俺は父親になった瞬間を味わった。

そんな時俺のポケットの中にある携帯が振動した。

母親からのメールだった。

【まだつかないの??】

着くのは昼過ぎだって言ったのに…と思っていたが時刻はもう1時半になっていた。

【ごめん、先にお昼食べてた。すぐいくよ】

急いで返信すると、丁度宇宙も食べ終わったようで手を合わせてごちそうさまと言っていた。

「おばあちゃんが待ってるから早く行こうか」

「うん!」

最後に宇宙の口周りを拭くと宇宙はテーブルから立ち上がった。

「バイバイ」という声が四方八方寄せられた。その声に全て答える宇宙。まるで人気アイドルみたいだ。