「では…ここに契約のサインを。」 若夫婦は新車ではなく中古車を買うようで、何の躊躇いもなく印鑑を押してくれた。 「ありがとうございました!」 そう言ってお菓子やラップが入った紙袋を若夫婦に渡すと「得したね〜」などと言って雪の降る中店を出ていった。 俺はその後の仕事も難なくこなしていつもより増しの速さで家に戻った。 降り注ぐ雪など無視して、俺は宇宙に会いたくて会いたくてたまらない。