「これ最近女子高生に流行ってるらしいよ」
そんな声がする方をみると
そこには俺と年が同じくらいのカップルが人混みの中ベビーカーを押して
俺の店の前で立ち止まっていた。
同い年だとは思うがしっかりしてそうなカップル…いや夫婦?
ベビーカーには0歳なのか1歳なのか分からないがとにかく赤ん坊が静かに目を閉じて眠っていた。
こんなにうるさい場所でも寝られるんだなと赤ん坊相手に感心した。
「あの、これのソーダください」
母親らしき女が1000円札を俺に差し出し注文した。
「あ、はい。可愛いお子さんですね」
「はぁ、どーも。」
下を向いてあまり興味を示していなかった。子供を褒められたら喜ぶのが親じゃないのか?
手際よく電球にソーダを注ぎストローを指す。お釣りを渡すと女はそれを俺の手を触れないようにそうっと取った。
嫌味なやつ。一瞬で俺はあの女を嫌いになった。