両親は俺を殴ったことは無かった。
俺は殴られるほど悪いことをしたことがない、ただそれだけだった。
今回殴られたということは殴られるほど悪い事をしたということだ。
誘拐をしたと言えばどうだろう?
殺されたりするのだろうか。
「お前…1人になって馬鹿になったのか」
「……は?」
「何故子供が出来たことを報告しなかった!産まれる前に報告したらもっといい判断が出来ただろ!」
父親は顔を赤くして、殴られた頬に手を置いて座り込んでいる俺の目の前に仁王立ちをして怒鳴りつけていた。
そんな俺も父親のそんな一言で怒りが湧き出た。
しかしこの状況で子供による問題を大声で話すわけにはいかない。
俺は宇宙のためを思って出かけていた文句を喉の奥に留めた。